新しいコミュニケーションを探求する研究活動への支援

4社共同研究プロジェクトへの支援

ミクシィグループは、コミュニケーション創出カンパニーとして、人とAIとのコミュニケーションを探求する4社共同研究プロジェクトに参画します。

4社共同研究プロジェクトとは

 本プロジェクトは、"コミュニケーションを通じて世界を鮮やかに変えていくこと"を事業活動のミッションに抱え、これまで手掛けてきたさまざまなコミュニケーションサービスで培った技術を応用し、オルタ3のシミュレーターを提供する木村弘毅[ミクシィ]と、世界的なアンドロイド研究者の石黒浩氏[大阪大学]/小川浩平氏[大阪大学]、ALife(人工生命)の研究者である池上高志氏[東京大学]/土井樹氏[東京大学]/升森敦士[東京大学]/丸山典宏[東京大学]、本プロジェクトの実証実験の場を提供する増井健仁氏[ワーナーミュージック・ジャパン]の4社によるプロジェクトメンバーによって発足しました。
 4社共同研究プロジェクトには、アンドロイドの美的表現を極限まで追求するために東京大池上研究室が理論設計し、オルタナティヴ・マシン社が新たに開発したダイナミクス生成エンジン「ALIFE Engine™」が世界で初めて搭載され、音楽家でアンドロイド・オペラの発案者である渋谷慶一郎氏による『Scary Beauty(スケアリー・ビューティー)』を筆頭に、日本科学未来館キュレーター内田まほろ氏の企画による世界各地での展示が計画されています。さらに世界中から東京に注目が集まる2020年8月には、国際的指揮者の大野和士氏、作家の島田雅彦氏、音楽家の渋谷慶一郎氏が共作する新国立劇場の「特別企画」に参加するなど、オルタ3の登場が、人間とアンドロイドによる新たなコミュニケーションとエンターテインメントの未来を示唆していきます。

■プロジェクトメンバー

木村弘毅(きむらこうき)

木村弘毅(きむらこうき):シミュレーター提供(仮想空間でのオルタ3の動作実験)株式会社ミクシィ 代表取締役社長執行役員。電気設備会社、携帯コンテンツ会社等を経て、2008年株式会社ミクシィに入社。ゲーム事業部にて「サンシャイン牧場」など多くのコミュニケーションゲームの運用コンサルティングを担当。その後モンスターストライクプロジェクトを立ち上げる。 2014年11月、当社執行役員就任。2015年6月、当社取締役就任。 2018年4月、当社執行役員スポーツ領域担当就任。(現任) 2018年6月、当社代表取締役就任。(現任)

石黒浩(いしぐろひろし)

石黒浩(いしぐろひろし):アンドロイド人間酷似型ロボット研究の第一人者。工学博士。
ロボット工学者。大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻・特別教授、ATR石黒浩特別研究所客員所長&ATRフェロー。知能ロボットと知覚情報基盤の研究開発を行い、次世代の情報・ロボット基盤の実現をめざす。2011年、大阪文化賞受賞。

池上高志(いけがみたかし)

池上高志(いけがみたかし):人工生命研究東京大学大学院理学系研究科物理学修了。理学博士。東京大学大学院総合文化研究科教授。複雑系、特に人工生命の研究をテーマとし,ダイナミクスからみた生命理論の構築を目指す。国際ジャーナル「BioSystems」「ArtificialLife」「Adaptive Behavior」などの編集を併任しつつ、渋谷慶一郎、evala、新津保健秀らとのアート活動(filmachine 2006、Mind Time Machine 2010、Long Good bye 2016)も行っている。

増井健仁(ますいたけひと)

増井健仁(ますいたけひと):実証実験提供(コンサートでのオルタ3の実証実験)株式会社 ワーナーミュージック・ジャパン エグゼクティブ プロデューサー。
邦楽制作にて数多くのランキング1 位作品を手掛ける音楽プロデューサー。本プロジェクトのプロデュースも行う。
『Scary Beauty』では、エグゼクティブ プロデューサーとして本プロジェクトの実証実験の場を提供し、人間とアンドロイドによるエンタテインメントの新たな可能性を創出
■プロジェクト参加アーティスト

渋谷慶一郎 (しぶやけいいちろう)

渋谷慶一郎 (しぶやけいいちろう):Scary Beauty ディレクション・作曲音楽家。東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。2002年に音楽レーベルATAKを設立、国内外の先鋭的な電子音楽作品をリリースする。これまでに数多くの映画音楽やサウンドインスタレーションを発表。2012年には、初音ミク主演による世界初の映像とコンピュータ音響による人間不在のボーカロイド・オペラ「THE END」をYCAMで発表。同作品はパリ・シャトレ座での公演を皮切りに現在も世界中で公演が行われており現在も上演要請が絶えない。
これまでにパレ・ド・トーキョーでアーティストの杉本博司、ロボット研究者の石黒浩と、パリ・オペラ座でエトワールのジェレミー・ベランガールとなど数多くのコラボレーションを発表。複雑系研究者の池上高志とは15年に及ぶノイズや立体音響による協働、開発を行なっている。現在は東京とパリを拠点に活動を展開している。

オルタ3とは

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 オルタ3は、機械が露出したむき出しの体、性別や年齢を感じさせない顔といった特徴により、人の想像力を喚起し、これまでにない生命性を感じさせることを目指したアンドロイドロボットです。これまでにも、アンドロイドと人工生命に関する世界的に著名な大阪大学と東京大学の研究者が協力し、オルタを2台製作し研究を推進してきています。この研究の挑戦は、外界との相互作用により、ロボットが生命感を自ら獲得することができるかどうか、また、これを通じて、生命とは何かといった根源的な問いに答えることです。オルタ3では、これまでのオルタの開発、研究を通じて得られた知見を基に、より生命観を感じさせる振る舞いのモデル化に関する研究をさらに加速させることを目指します。また、本研究において最も大事な、外界との相互作用による動作生成技術をさらに推し進めるため、世界中あらゆる場所に運ぶことができ、より堅牢で継続的に使用可能になるようなデザインを目指しました。これまでの「オルタ」2台とは異なり、オルタ3は、両目のカメラ、口からの発声機能といった、人間により近いセンサーシステムや表現能力に加え、歌唱のために口周りの表現力を向上。また、オルタ2よりも出力が強化されたことによって、身体表現の即時性の向上やダイナミックな動きが可能となった。また、誰でも分解・組み立てができ、飛行機輸送もできるポータビリティもオルタ3における進化の一つです。

ミクシィがこれまで培ってきた技術を提供

ミクシィでは、オルタ3の見た目や動作の仕組みをソフトウェアで再現し、本体を使用せずとも仮想的に動作シミュレーションを行うためのソフトウェア「Alter3 Simulator」の開発に取り組んでいます。

<「Alter3 Simulator」画面>

オルタ3本体は世界にただ一つしかなく、公演等で世界各地を巡ることもあります。
常に本体を使用した動作テストができるとは限らない上に、本体を使用したテストでは本体を損傷するリスクも考えられます。
より精度の高いシミュレーターを作り上げることで、動作テストや演出チェック、衝突の検知といった確認作業をオルタ3本体に依存することなく行うことが可能になり、ALIFE Engine におけるアルゴリズム開発や、事前リハーサルの難しい大規模会場を想定した演出のチェックなど、研究やプランニングを進める上でも時間的・物理的に大いに貢献できると考えています。

今回のオルタ3プロジェクトにおいては、オルタ3本体が、オルタ3アプリケーション(ALIFE Engine システム)から受け取った命令をもとに動作を行うため、シミュレーターも、同じ命令を受け取って本体と同じ動きを再現する必要がありました。
そこで私たちは、オルタ3本体を3Dモデルによって再現し、ミクシィがこれまで様々な事業で積極的に使用してきたゲームエンジンUnity(※1)を用いてシミュレーターを開発し、各事業で培った技術力を有効活用しています。


こういった開発はミクシィとしては初の取り組みであり、Alter3 Simulator の開発を通して新たな領域へとまた一歩踏み出すことができました。
※1:https://unity3d.com/jp

オルタ3プロジェクトの今後の活動

・2019年3月13日・2019年3月13日 ドイツ・デュッセルドルフ
「Hi, Robot! Das Mensch Maschine Festival」フェスティバル
オープニングにてアンドロイドオペラScary Beauty公演
主催:tanzhaus nrw
場所:Robert-Schumann-Saal

・2019年3月28日~5月5日・2019年
 3月28日~5月5日
ドイツ・デュッセルドルフ
「Hi, Robot! Das Mensch Maschine Festival」フェスティバル
"Körperwende - von Nam June Paik bis Hiroshi Ishiguro"展 展示
主催:tanzhaus nrw
場所:NRW-Forum Düsseldorf

・2019年5月16日~8月末日・2019年
 5月16日~8月末日
イギリス・ロンドン
「AI: More Than Human」展 展示
主催:Barbican Centre
場所:Barbican Centre

・2019年9月以降 アンドロイド・オペラ 『Scary Beauty』世界数か国で公演予定

上記以外にも今後さまざまな活動を予定しております。

Scary Beauty(スケアリー・ビューティ)とは

アンドロイド・オペラ『Scary Beauty』は、世界の人工生命研究者が集うALIFE 2018(人工生命国際学会)のパブリックプログラムとして2018年7月に、日本科学未来館(東京・お台場)で初演が行われました。その公演で、AI(人工知能)を搭載したアンドロイド オルタ2が30名に及ぶ人間のオーケストラを指揮し、それを伴奏に自ら歌う姿を披露。作曲とピアノを渋谷慶一郎が担当、人工生命とアンドロイドに関して世界的に著名な東京大学や大阪大学の研究者が、プロジェクトメンバーとして参画。実際の演奏の際に起こるであろう人間の想像を超えた急激なテンポや強弱の変化、それに伴う歌唱表現の極度な振れ幅は全てアンドロイドが自ら決定し、作曲された音楽作品の新たな可能性を引き出す場合もあれば、破壊する可能性もはらみ、"奇妙な、不気味な美しさ"を醸し出します。
本プロジェクトで披露するオルタ3の『Scary Beauty』では、指揮者(オルタ3)の持つ演奏の表現が多彩になっています。特に、オルタ3が実際に目を持っていることやトルクが倍になり運動に力があることで、オルタ2における指揮の表現を書き換えています。また、オルタ2による指揮がジェンダーレス的であるならば、オルタ3における指揮は運動速度が速くなったことでモンスター感が増し、力や恐怖というファクターが加わって美しさとの対置がより強力になりました。


詳細はこちらからご覧ください。
http://scarybeauty.com