ニュース NEWS

お知らせ
2026.04.09

<「MIXI MEETUP!AI DAY 2026」イベントレポート>23事例と経営戦略で示す、全社AI活用の現在地。全社一丸で挑んだ“AI前提”の組織変革と次の一手

~本イベントのアーカイブ動画はYouTubeチャンネル「MIXI TECH&DESIGN」にて公開中~

 株式会社MIXI(東京都渋谷区、代表取締役社長 上級執行役員 CEO:木村 弘毅)は、2026年3月27日(金)に「MIXI MEETUP!AI DAY 2026」を開催しました。プロダクト開発からコーポレート領域まで、全社横断で取り組んできたAI活用の実践知を共有する様々なセッションを実施しました。

 MIXIではこの一年、AIを単なるツールではなく、共に挑戦を重ねる「パートナー」と捉え、現場での試行錯誤を積み重ねながら、各部門の業務にAIを組み込む“AI前提の業務設計”を推進してきました。

 本イベントは、全社横断のAI推進組織「AI推進委員会」を中心に、エンジニア・デザイナーに加え、ビジネス・バックオフィスまで職種を問わず、全社で進めてきたこの1年間のAI活用の取り組みを共有することを目的に開催。当日は、代表の木村による開会宣言から始まり、全23の実践事例をセッション形式でお届けしました。クロージングセッションの基調講演では経営陣が登壇し、全社AI戦略の現在地と次の一手についてパネルディスカッションをおこないました。
 なお、YouTubeチャンネル「MIXI TECH&DESIGN」(https://www.youtube.com/@mixi_developers)にて、本イベントの模様(※一部除く)をアーカイブ配信しています。

※AI推進委員会:経営層と事業部門長および各部署で選任されたアンバサダーを中心に構成され、AI施策の実装進捗や活用推進を担う全社横断組織。

 

【AIを“使う”から、“前提にする”へ】現場の試行錯誤が生んだ、全23の実践事例とその成果

Array

 まずオープニングでは、代表の木村が多言語を操るAIアバターとなって登場し、MIXIが大切にしてきた「心もつながる場と機会を提供したい」という理念と、時代の変化に応じて挑戦を続けてきた歩みを語りました。そして、AIについても単なる技術ではなく、人と人の距離を縮め、新しいつながりを生み出すパートナーとして向き合っていく姿勢を宣言しました。

 各セッションでは、エンジニア、デザイナー、ビジネス、コーポレートといった職種を横断し、AI活用を業務標準としたこの1年間の取り組みを、全23の実践事例として公開しました。各領域におけるセッションの模様を一部ご紹介します。

【デジタルエンターテインメント】類似キャラ調査を大幅圧縮。モンスターストライク10年分のキャラ資産を活かすAI「クロスモーダル検索」の開発成果

Array

 デジタルエンターテインメント領域の「モンスターストライク」のセッションでは、1万体を超える膨大なキャラクター資産を最大限に活用する、独自の「クロスモーダル検索」システムの開発事例を紹介しました。
 従来、多大な工数を要していた類似キャラクター調査では、一般的なクロスモーダル検索を用いても、「どのデザイン要素(表情・衣装・モチーフなど)が手がかりか」が曖昧になりやすい課題がありました。そこでLLMで画像のデザイン要素を抽出し、テキストの中間表現として挟んで検索の手がかりを明確化する独自手法を構築。これにより「クマの要素」や「光が差し込む車内」といった、曖昧なニュアンスや複雑な概念での高精度な検索が可能になりました。成果として、調査や指示書制作のリードタイムを大幅に圧縮し、年間約300時間の作業時間短縮を達成。さらに新人のOJTコスト削減にも寄与するなど、多角的な生産性向上を実現した事例として発表しました。

 

【スポーツ】FC東京が実現した「広報写真の自動選定」と「アンケートAI分析」の業務変革

Array

 スポーツ領域では、「FC東京」の広報業務をAIで高度化する事例を紹介しました。1試合につき約1万枚もの写真から適切なものを選定する業務に際し、顔認識と生成AIを組み合わせた自動タグ付けシステムを構築。これにより、確認作業の軽減と属人性の排除を実現しました。また、来場者アンケート分析には、文脈を捉えて自由記述をクラスタリングする独自AIツールを導入。顧客の声を新商品開発や運営改善に直結させる環境を構築するなど、AIを現場へ定着させ、クラブ運営を加速する先進的な事例として発表しました。

 

【ライフスタイル】半年で100件の改善事例を創出し、共通目標とコミュニティで横連携。「みてね」が実践する自律的なAI推進の組織設計

Array

 ライフスタイル領域の「家族アルバム みてね」のセッションでは、AI活用を個人のスキルに留めず「組織全体の成果」へと引き上げる、実践的な推進手法を紹介しました。まずは誰もがAIを使える実験環境を整え、半年で約100件の自律的な改善事例を創出。さらに、組織全体で「30%の業務効率化」という共通目標を掲げ、具体的な定義を各チームの裁量に委ねることで、リードタイム短縮など本質的な業務フローの見直しを実践しました。また、各チームの推進担当からなる「AIコミュニティ」を設立し、組織内の横連携を強化。AI推進の本質は「組織設計」にあるという、組織開発の観点からの知見を語りました。

 

【デザイン】365日の実践が生んだ、全工程にAIを組み込む“AI前提”の制作フロー

Array

 デザイン本部がこの1年間で取り組んできた実践的なAI活用事例を紹介しました。UI/UXデザインにおいては、対話型AIを用いたノーコードでの独自プラグインを開発し、レビュー時間を半減。本来議論すべき「ユーザー体験」の追求に注力できる環境を構築しました。また、CG映像制作では、スクリプト開発による負荷軽減と生成AIによる表現拡張をおこない、制作期間とコストの大幅な圧縮に成功。デザイン組織内の開発・実装業務においても、Claude Codeを軸に設計・実装・レビュー・QAまで活用し、制作工数を約50%削減しました。職種を越えてAIと協働する、新しい制作フローの可能性を提示するセッションとなりました。

 
 こうした事業の現場における挑戦と並行して、コーポレート領域でもAI活用は着実に進んでいます。法務部門のDX、知財部門における「攻めの知財」への転換、経営推進部門の意思決定・報告サイクルの変革など、専門性の高い業務においてもAIを取り入れ、組織運営のあり方そのものを変えていく取り組みを紹介しました。

【法務】
プログラミング未経験からノーコードで「法務手続きQA BOT」などを独自開発した事例を紹介。利用規約の確認など一部業務の外部委託コストをゼロ化するとともに、規約確認のリードタイムを約70%短縮するなど、バックオフィス変革の実績を語りました。

【知財】
事業展開のスピードに知財業務を追従させるべく、特許調査や商標区分判定などの業務にAIを活用。最大90%のリードタイム短縮を実現し、創出した時間で経営コンサル的な役割を担う「攻めの知財」を目指す展望を語りました。

【経営推進】
意思決定から実績分析までのサイクルをAIで変革する取り組みを紹介。経営会議資料のAIレビューや決裁申請の下書き自動作成に加え、FP&Aの集計・分析業務に株式会社ログラスと共同開発した「FP&A Agent AI」を導入し、対応時間を大きく圧縮した事例を解説しました。

 

【グローバル】PointsBetが挑む「AIネイティブ」な組織変革とデータ民主化 -The AI Transformation Journey at PointsBet-

Array

 そして、特別セッションとして昨年当社にグループ入りした豪州企業PointsBet社のDan Lucas(CTO)、Praveen Kumar(Head of Data and AI)が登壇し、同社のAI戦略を紹介しました。生産性向上や文化醸成など「4つの柱」を掲げ、従業員の約半数が参加したAIハッカソンや、自然言語を用いたデータ分析の民主化といった実践例を解説しました。さらに、業務プロセスの中核にAIを組み込む「AIネイティブな組織変革」への力強い展望を語りました。

 

経営陣が語る全社AI活用の未来。AI前提のモノづくりと組織変革

 クロージングセッションの基調講演では、全社AI推進を牽引した村瀨および経営陣が登壇。この1年におけるAI活用の軌跡と、「次の一手」となる変革の方向性を示しました。

Array

 まず、取締役の村瀨より、この1年間にわたる全社的なAI活用の軌跡が語られました。村瀨は、AIの利便性は自然には周囲へ伝播しにくく、組織全体へスケールしづらかったと振り返り、あえて手段を目的化し「全社員がAIを使うこと」自体をゴールに据えて、強力に推進した背景を明かしました。この経営アプローチにより、全社でのAI利用率は99%に到達。全社員のAI活用を前提に、施策数やROIの可視化、さらには見積もりや採用基準の見直しまで踏み込んだことで、経営判断や開発・デザインのプロセスそのものを大きく変革できたと述べました。現在は、「AIを使えるかどうか」という習熟度を問う段階は終え、「AIを活用していかに成果を出し、価値あるものを世に送り出せるか」に集中するフェーズへと移行したことを宣言しました。

Array

 続いて、CFO島村・CTO吉野・CDO横山の3名がそれぞれの立場から、AIによって進化する現状と「次の一手」を共有しました。
 CFO島村は、AI活用によって経営の意思決定における思考密度が飛躍的に向上した現状を語りました。今後は人が介在すべき領域とAIに委ねる領域の線引きを最適化し、将来的にはAIが経営シナリオをプランニングしてPDCAをリアルタイムに回す「経営のアジャイル化」を目指すと述べました。
 CTO吉野は、全ソースコードの約40%をAIが生成している開発現場の成果に触れつつ、今後は「データの統合と進化」を加速したいと意気込みました。オリジナルデータとAIの間の壁(ワンクッション)をゼロにするとともに、アイデアのリリース判断等もAI化し、出したいものをすぐに出せる環境を作っていきたいと構想を語りました。
 CDO横山は、「まずAIで試してから作る時代が来た」と現場の変革を強調。今後はデザイン全工程のAI化に挑み、エンジニアリングと統合した「AI開発パイプライン」を構築することで、機能開発期間の固定観念を疑い、「MIXIの時間の流れを変える」と宣言しました。

 最後に村瀨より、「今後は『こんなに早くやったぜ』よりも『こんなものをいっぱい出したぜ』と世の中に見せていきたい」と抱負を述べました。AIが空気のように当たり前となった環境で、モノづくりへの原点回帰と、世界へ多くの価値を届けていく決意を示し、クロージングセッションを締めくくりました。

 本イベントは、MIXIにおけるAI活用の現在地と、経営戦略の次の一手を示しました。当社は、AI活用を一部の取り組みに留めるのではなく、事業推進、組織運営、そして経営判断にまで組み込む「全社変革」として捉え、組織一丸となって推進しています。今後も、AIを前提とした業務変革を進め、新たな価値提供に挑戦し続けていきます。

本イベントの模様と登壇資料(※一部除く)は、以下URLよりご確認いただけます。

<アーカイブ配信先> YouTubeチャンネル「MIXI TECH&DESIGN」
https://youtube.com/playlist?list=PLSy1zuVb8HVkL9aL44ejKnEbz63gKwoUc&si=A5V0YnBl8wnGadrp

<登壇資料>
https://speakerdeck.com/mixi_engineers/

■ 「MIXI MEETUP!AI DAY 2026」概要

・イベント名:MIXI MEETUP!AI DAY 2026
・開催日時:2026年3月27日(金)
・開催形式:オフライン(MIXIオフィス)およびオンライン(YouTube)のハイブリッド開催
・イベントサイト:https://mixi.connpass.com/event/380889/

  • ホーム
  • ニューストップ
  • <「MIXI MEETUP!AI DAY 2026」イベントレポート>23事例と経営戦略で示す、全社AI活用の現在地。全社一丸で挑んだ“AI前提”の組織変革と次の一手