■啓発教材「Media Karuta」とは
ミクシィ社では、これまでインターネットやソーシャルメディア、Iot(Internet of Things)への理解を深め、ポジティブなコミュニケーションを育むための教育啓発活動などを行ってきました。その一環として、今回子ども達が学校や家庭でメディアリテラシーについて考え、思考を深めていくことで、メディア利用・メディア行動への責任を学んで欲しいという思いから、啓発教材「Media Karuta」を製作いたしました。
同教材は、メディアリテラシーに関する7種類「コミュニケーション(人間関係)」、「セキュリティ/設定」、「法律違反」、「有効活用(Good Point)」、「個人情報」、「情報の取り扱い」、「不適切投稿」)のカテゴリーを用意し、子ども達が様々な側面から知識や相互理解を得ることができます。
【Media Karuta(メディアかるた)概要】
推奨対象 |
中学生~高校生 |
推奨人数 |
6~7名程度 |
利用シーン |
学校の授業、講演時のワークショップなど |
問題カテゴリー |
「コミュニケーション(人間関係)」「セキュリティ/設定」「法律違反」「有効活用(Good Point)」「個人情報」「情報の取り扱い」「不適切投稿」の7種類 |
問題数 |
最大13問~最大36問 |
遊び方 |
1. 取札を場に広げます 2. 読み手を決めます。1枚ごとに順番に、読み手を交代していきます。 3. 読み手が読み札(メディアリテラシーに関する問題文)を読みます。 4. それに対応する取札を探して取ります。 5. 読み手はその札が正解か否かを伝え、解説/補足についても読み上げます。 6. 全ての札を読み終えた時に、取った枚数が一番多い人が勝ちです。 |
【Media Karuta(メディアかるた)イメージ】
取札 |
読み札 |
≪レポート≫
■鎌倉女学院中学校・高等学校で「Media Karuta」を活用した情報リテラシー教員研修会を開催
2015年6月10日(水)、神奈川県鎌倉市にある鎌倉女学院中学校・高等学校教員12名を対象に、啓発教材「Media Karuta」を活用した情報リテラシー教員研修会を行いました。今回は、総務省関東総合通信局の方々もオブザーブ参加されました。
【研修会概要】
学校名 |
鎌倉女学院中学校・高等学校(神奈川県鎌倉市) |
日付 |
2015年6月10日(水) |
研修会時間 |
15:30~16:30 |
担当学年・担当教科・教員(男・女) |
中学2年、3年、高校1年、2年(国語、数学、世界史、体育、情報)など 12名(女12名) |
■研修会風景
先生方にメディアリテラシー啓発教材「Media Karuta」を体験いただく前に、弊社が「メディア利用、メディア行動への責任について学べる啓発教材」を作成した経緯、子ども達を見守りサポートしていく社会に向けたミクシィのCSR活動についてお話させていただきました。
「Media Karuta」の概要や遊び方についてご説明した後、6名編成で2グループに分かれ、実際に体験いただきます。
取札が見えやすいように机の上に並べ、体験開始です。
1回ごとに読み手を交代しながら、順番にメディアリテラシーに関する問題文(読み札)を読み上げていきます。
問題文に呼応する回答札を探したら、なぜその札を選んだのかについて他の先生にお話し、自身の思考についても説明していただきました。
各グループを周りながら、先生方が体験される様子を拝見していましたが、かるたを通じて、そのトピックに纏わるお互いの経験を話したり、質問があがったり、意見交換も活発に行われていました。
実施後は、かるた記載の7カテゴリー(「コミュニケーション(人間関係)」「セキュリティ/設定」「法律違反」「有効活用(Good Point)」「個人情報」「情報の取り扱い」「不適切投稿」について、振り返りを行います。
各カテゴリーについて先生方が感じられたこと、子ども達に伝えたいことなどを伺いながら、講演時に子ども達に伝えている内容やメッセージなども添えて、解説させていただきました。
■「Media Karuta」を体験された教員の声
・初めて体験して、「こういうことに気をつけたらいい」や「こういう人もいるんだ」という発見をすることができました。カルタをしながら、お互いの経験を話したり、会話が弾んでいったのもコミュニケーションを深める上では有効だと思いました。
・意識の変化
気づいたこと:知ってはいてもカルタをしながら再認識をしました。SNSを頻繁に利用しない人にとってはわからない情報もあること。生徒のメールのやりとりなどからこういう問題が起こるということ。毎日忙しいのにSNSに費やす時間が多い生徒もいるんだろうな、ということ。生徒の悩み・問題はどうしたらなくなるのか、難しいと思いました。
学んだこと:カルタをやることで、どのような問題があるかが分かり、解説を聞いて、知識を深めることが出来ました。
生徒に伝えたいこと:問題・事件・どのような可能性があるか、SNSのマイナス面を知ってほしい。子どもを守るのは大人であるけど、自分のことは自分で守らないといけないのがSNSなどの世界であること。コミュニケーションは直接行うことの方がいいこと。機械に使われるのではなく機械は有効に使うものであること。問題が生じたら誰でもいいから相談すること。などを伝えたいと考えました。
・年齢を問わず、取り組みやすい(楽しくて、且つ、為になる)形だと感じました。札を取った際それを選んだ理由を述べるというルールが、SNSについて様々な角度から考えさせ、意見交換を活発にしていたと思います。
・この頃身近で起こったトラブルで、私たち教員から子どもたちに伝えたいと思ったこと(例えば、「面と向かって言えないようなことは書かない。」「インターネット上に公開した情報は世界中の人が閲覧できる。情報を悪用されないためにも、個人情報は投稿しない。」「一度公開した情報は完全に消去できると思わないこと。投稿前によく考えなさい。」等) について、Media Karuta を使ったワークなら、自ら考え学べる点が良いと思いました。先生に言われたから仕方なく・・・より、自発的に行動してもらいたいですし、反抗期の子どもたちにはなかなか通じないので。
・学年活動の中に取り入れるには、最後どのように「まとめ」ていくかが検討課題です。やりっ放しでは、あぁ楽しかったで終わってしまい、折角考えたことも、すぐに忘れてしまいますし、その後も時々フィードバックしていくにあたって、やはり1つの方向性を持って、「まとめ」が必要と思いました。
・Media Karutaの内容は難しくなく、ちょっと考えれば正しい解答が選べるので、ゲームとして盛り上がるのかな?と思ったが、やってみると、正しい答えを選ぶことよりそれぞれの問題について話し合ったり感想や経験を話したりすることで盛り上がった。グループで一緒に考え、さまざまな意見を出すという活動ができた。生徒にとっても、自分の考えや経験を話して周囲と共有できる機会になるのではないかと思う。また、情報講座などで学んだ知識を確認する場にもなると感じた。
・自分自身も、大学生の頃からさまざまなSNSに触れてきました。しかし、大人になり、十分に利便性だけでなく、危険性なども理解した上で、使用してきました。しかし、今の中学生は、スマートフォンやパソコンなどを利用し始めたときから、SNSがあり、ネットを通じたコミュニケーションというものが当たり前になっています。しかし、その便利さにだけ気を取られていて、危険な部分まできちんと理解できていないように思います。実際に生徒たちが問題を起こしたのを目の当たりにしたとき、その指導の難しさを感じました。Media Karutaは、楽しくかつしっかりとメディアリテラシーを学ぶことができ、特に小中学生などには有効な手段ではないかと思います。
・講演を通じてさまざまな危険性を学んだり、教員に使い方を指導されたりすることも、もちろん生徒たちにメディアリテラシーを学ばせることにつながると思っています。しかし、生徒たちは「受け身」になってしまいがちで、なかなか自分でそのことを深く考えたり、発言したり、ということは難しいのも事実です。Media Karutaは、その点、自分が引いたカードについて自分なりの意見を述べたり、その意見についてまた話したり、と自らが「主体」となって学ぶことができると感じました。
・今の、そしてこれからの情報社会の中では、メディアを正しく、そして賢く使うことはとても大切です。ですから、Media Karutaを生徒たちにもぜひ実践させ、自分たちでメディアやSNSについて、考えていけるようになっていってほしいと思いました。
■今回の取組みについて
佐藤先生
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今回の取組みについてコメント
このような機会をいただき、本当にありがとうございます。 本校では、毎年外部の講師を招聘して、中学1年生から中学3年生までメディアリテラシーについての講演会を実施しています。多くの生徒は講演会でメディアリテラシーについての理解が深まるのですが、中には理解の浅い生徒もいます。そのような生徒に、メディアリテラシーを自発的に学習させるためのキッカケになる教材だと思います。
しかし、いい教材があっても、指導者がいないと宝の持ち腐れです。そこで、今回は本校の教員12名がMedia Karutaの講習会を受けました。参加した教員の反応はとても良く、是非、生徒に体験させたいとの声が多かったので、受講した教員が生徒にMedia Karutaを体験させ、メディアリテラシーを学習させていく予定です。
また、インターネット上には新しいコミュニケーションツールが毎年のように登場してきます。そのツールの特徴を理解して生徒指導を行うのは困難だと思います。ただ、どのようなツールを用いても気をつけなければならいことは同じなので、ツールの特徴を良く理解している生徒たちに、Media Karutaをもとにコミュニケーションツールの事などを考えさせれば、メディアリテラシーの理解が深まると思います。
今後も情報社会に対応できるように、継続的にメディアリテラシー教育を進めていきたいと思います。
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