トップメッセージ MESSAGE FROM
THE PRESIDENT

2025年3月期の事業状況

2025年3月期の通期連結業績は売上高1,548億円(前期比5.4%増)、EBITDA(償却前営業利益)316億円(同34.9%増)、営業利益266億円(同38.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益176億円(同148.5%増)と、増収増益を達成しました。

スポーツセグメントは、売上高402億円と22.1%の増収となりました。観戦事業では、「FC東京」の物販が伸長したほか、「LaLa arena TOKYO-BAY」の開業により収容人数が倍増した「千葉ジェッツ」のチケット販売も好調でした。ベッティング事業では、共遊型スポーツベッティングサービス「TIPSTAR」および株式会社チャリ・ロトのオンライン車券販売高が増加しました。なお、「TIPSTAR」のMAUは着実に増加しており、第4四半期の売上高は前年同期比54.2%と成⻑を加速させています。

ライフスタイルセグメントは、「家族アルバム みてね」の年賀状サービスが市場縮小に伴い苦戦したものの、注力商材(みてねプレミアム、写真プリント、みてねみまもりGPS)が好調であったことから、売上高147億円と10.3%の増収となり、順調に推移しました。

デジタルエンターテインメントセグメントは、売上高940億円と4.8%の減収となりました。「モンスターストライク」は年始の新キャラクター販売等によりARPUが増加しましたが、前年に10周年施策の実施があったため相対的にMAUが減少しました。一方で、EBITDAは高⽔準を維持しており事業の構造改⾰や効率化の成果が現れています。

今後の事業成長と企業価値向上への取り組み

当社グループは、「事業成⻑による収益の最大化」「M&Aによる事業拡大」「株主資本の適正化」の3つを軸に企業価値向上に向けた取り組みを進めております。

「事業成⻑による収益の最大化」では、各セグメントにおいて、当社が培ってきたコミュニケーションサービスのノウハウとAIを融合させ、収益性と独自性を兼ね備えた新サービスの創出に取り組んでいます。

日本、豪州などグローバルでのソーシャルベッティングの実現を目標とするスポーツセグメントでは、AIによる車券投票スタイルのレコメンドやレース結果の予想などを提供しています。引き続き、アプリケーションレイヤーでのAI実装を推進し、より楽しい体験を提供してまいります。

「みてね」のグローバルでの事業成功に向けて成⻑を続けているライフスタイルセグメントでは、ユーザーが過去にアップロードした写真・動画を活用した「1秒動画」やステッカーなどのサービスにおいて、すでにAI活⽤を進めており好評を得ております。引き続き効率的なサービス運営を目指してまいります。

「モンスターストライク」のインド市場での早期リリースやIP化に取り組むデジタルエンターテインメントセグメントでは、4月に執行役員として参画した兼吉のゲーム領域で数々のイノベーションを実現してきた実績を活かし、AI活⽤による新しいエンターテインメントの創出に努めてまいります。

「M&Aによる事業拡大」は、既存事業とのシナジー創出を目指して、引き続き積極的に展開します。2024年10月に判明した子会社における不正事案を踏まえて、盤石なPMIとガバナンス体制の構築、グループ全体へのカルチャー浸透に注力してまいります。

「株主資本の適正化」につきまして、ROEが株主資本コストを上回るまで、総還元性向100%での株主還元を実施することを基本方針に取り組んでいます。2025年3月期のROEは10%となり株主資本コストを上回る⽔準を達成しました。一方で、経営環境や事業の状況、株主資本適正化の観点から「3年平均のROEが株主資本コストを上回ること」を新たな目標として方針の中に明記しました。引き続き、資本効率向上への取り組みを継続してまいります。

※「今後の事業成長と企業価値向上への取り組み」については、2025年3月期通期決算説明会資料をご覧ください。

https://pdf.irpocket.com/C2121/hZTq/lipd/OUMf.pdf

株主の皆さまへ

2025年3月期の1株当たり年間配当金は120円と増配を実施しました。2026年3月期につきましては、年間配当金は120円を予定しております。加えて、95億円の自己株式取得を決議しました。これらは、株主資本の適正化に向けた還元方針に基づくものであり、2025年3月期分の配当とこの度決議した95億円の自己株式取得を合わせた2025年3月期の総還元性向は100.9%となっております。今後も株主の皆さまへの適切な還元を継続し、資本市場との対話をさらに深めながら、企業価値の向上を目指してまいります。

株主の皆さまには変わらぬご指導とご支援をお願い申し上げます。

代表取締役社長 上級執行役員 CEO 木村 弘毅 Koki Kimura