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プレスリリース
2019.02.28

人工生命×アンドロイド「オルタ3」 4社共同研究プロジェクト始動 人間とアンドロイドによる新たなコミュニケーションの未来を示唆

株式会社ミクシィ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長執行役員:木村弘毅)、国立大学法人大阪大学(基礎工学研究科 石黒研究室)、国立大学法人東京大学(総合文化研究科 広域科学専攻 広域システム科学系 池上研究室)、株式会社ワーナーミュージック・ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長兼CEO:小林和之)は、人間とのコミュニケーションの可能性を探るために開発された人工生命×アンドロイド「オルタ3」に関する4社共同研究プロジェクトを始動いたします。

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■4社共同研究プロジェクト概要
<4社によるプロジェクトの発足>
人間とのコミュニケーションの可能性を探るために開発された人工生命×アンドロイド「オルタ3」における共同研究プロジェクトを上記4社が始動。”コミュニケーションを通じて世界を鮮やかに変えていくこと”を事業活動のミッションに抱え、オルタ3のシミュレーターを提供する「ミクシィ」、世界的なアンドロイド研究のパイオニアである「大阪大学石黒研究室(アンドロイド開発:小川浩平)」、ALife(人工生命)研究のパイオニアである「東京大学池上研究室」、本プロジェクトの実証実験の場を提供する「ワーナーミュージック・ジャパン」によって発足いたしました。

<想像力で人と人を繋ぐオルタ3>
「新しいバーチャルリアリティの概念のもとに、人とアンドロイドを繋ぐ世界を作る」ことが、オルタ3のコンセプト。
オルタ3は、人の日常と非現実的な存在感をもつロボットを組み合わせることで、これまでにない、新しいバーチャルリアリティの世界において想像力で人と人をつなぐことができるアンドロイド。人は、言葉の意味のやりとりだけではなく、仕草や見かけなどの情報や環境から喚起される想像力によってつながることのほうが、より強固で親密な関係性を築くことができると考えています。そのうえで、これまでのオルタ2による研究から、オルタ3のいる世界を非現実と日常という2つの組み合わせで捉え、この非平衡な2つの状態から人の想像力が喚起され、想像力で人と人をつなぐ強力なメディアを実現できると考えています。また、現実(高度なCG技術)+非日常(レースや戦闘)が従来のゲームなどにおけるバーチャルリアリティだとするならば、オルタのバーチャルリアリティは非現実(機械生命体)+日常(多くの人が出会う日常的場面)と言えます。

<対峙する人が求める性別や年齢に見えるトリックが仕組まれている>
オルタ3は、抽象的な見かけや動きから、人の想像力を強力に喚起し、対峙する人にとって理想的な存在に感じることができるアンドロイドです。これまで開発されてきた存在感ロボットの研究から、対峙した人の想像力を強力に喚起するデザインを採用し、オルタ3の見かけからは、一見性別や年齢が排除されているように見えますが、例えば女性と思いたい人にとっては、女性らしく、男性と思いたい人にとっては、男性らしく見えるようなトリックが仕組まれています。動作も同様に、力強い上下運動だけでなく、表情や手などの細やかな動きも同時に表現することができます。また、最小限のデザインで構成される生命感ロボットや機械生命体を作り、「触感+声」から「動き+声」への実現を目指しました。

<人工生命について>
人工知能(AI)が深層学習のもと脚光を浴び、これまでの10年では、画像認識を使った医療やセキュリティなど多くの分野で技術革新が進みました。これからの10年は、生命としての(AI)である人工生命(ALife)、人間と機械とのコミュニケーションが多く取り上げられ、特に、人工生命を搭載したロボットと人との共創が注目されています。そのなかで、本プロジェクトは新しいコミュニケーションを創り上げるミクシィが、人工生命から生命化する機械と人との関り合いを世界に問う、という試みです。
オルタ3にはアンドロイドの美的表現を極限まで追求するために東京大学池上研究室が理論設計し、オルタナティヴ・マシン社が新たに開発したダイナミクス生成エンジン「ALIFE Engine™」*が世界で初めてアンドロイドに搭載されています。

<シミュレーターについて>
ミクシィは、これまで手掛けてきた事業活動の中で培ってきた技術を用いて、仮想的に動作シミュレーションを行うためのソフトウェアとして「Alter3 Simulator」を開発。これにより、仮想的に動作テストや演出チェック、衝突検知といった確認作業をオルタ3本体に依存することなく行うことが可能になりました。そのほかにも、「ALIFE Enginc」におけるアルゴリズム開発や事前リハーサルの難しい大規模会場を想定した演出のチェックなど、研究やプランニングを進める上で時間的、物理的に貢献できるようになりました。

<今後の活動>
このプロジェクトには、オルタ3のコラボレートメンバーとして、音楽家でアンドロイド・オペラの発案者である渋谷慶一郎氏による『Scary Beauty(スケアリー・ビューティ)』の世界各地での公演、日本科学未来館キュレーター内田まほろ氏の企画による世界各地での展示、さらに世界中から東京に注目が集まる2020年8月には、新国立劇場が特別企画として上演する、世界的指揮者の大野和士氏、作家の島田雅彦氏、音楽家の渋谷慶一郎氏で共作する新作オペラに参加するなど、オルタ3の登場が人間とアンドロイドによる新たなコミュニケーションとアート、音楽、サイエンスの未来を示唆していくことになります。


■オルタ3とは

オルタ3は、機械が露出したむき出しの体、性別や年齢を感じさせない顔といった特徴により、人の想像力を喚起し、これまでにない生命性を感じさせることを目指したアンドロイドロボットです。これまでにも、アンドロイドと人工生命に関する世界的に著名な大阪大学と東京大学の研究者が協力し、オルタを2台製作し研究を推進してきています。この研究の挑戦は、外界との相互作用により、ロボットが生命感を自ら獲得することができるかどうか、また、これを通じて、生命とは何かといった根源的な問いに答えることです。オルタ3では、これまでのオルタの開発、研究を通じて得られた知見を基に、より生命観を感じさせる振る舞いのモデル化に関する研究をさらに加速させることを目指します。また、本研究において最も大事な、外界との相互作用による動作生成技術をさらに推し進めるため、世界中あらゆる場所に運ぶことができ、より堅牢で継続的に使用可能になるようなデザインを目指しました。これまでの「オルタ」2台とは異なり、オルタ3は、両目のカメラ、口からの発声機能といった、人間により近いセンサーシステムや表現能力に加え、歌唱のために口周りの表現力を向上。また、オルタ2よりも出力が強化されたことによって、身体表現の即時性の向上やダイナミックな動きが可能となりました。また、誰でも分解・組み立てができ、飛行機輸送もできるポータビリティもオルタ3における進化の一つです。

■プロジェクトメンバー
木村弘毅(きむらこうき):シミュレーター提供(仮想空間でのオルタ3の動作実験)
株式会社ミクシィ 代表取締役社長執行役員。電気設備会社、携帯コンテンツ会社等を経て、2008年株式会社ミクシィに入社。ゲーム事業部にて「サンシャイン牧場」など多くのコミュニケーションゲームの運用コンサルティングを担当。その後モンスターストライクプロジェクトを立ち上げる。 2014年11月、当社執行役員就任。2015年6月、当社取締役就任。 2018年4月、当社執行役員スポーツ領域担当就任。(現任) 2018年6月、当社代表取締役就任。(現任)

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石黒浩(いしぐろひろし):アンドロイド
人間酷似型ロボット研究の第一人者。工学博士。ロボット学者。大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻・栄誉教授、ATR石黒浩特別研究所客員所長&ATRフェロー。知能ロボットと知覚情報基盤の研究開発を行い、次世代の情報・ロボット基盤の実現をめざす。2011年、大阪文化賞受賞。

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池上高志(いけがみたかし):人工生命研究
東京大学大学院理学系研究科物理学修了。理学博士。東京大学大学院総合文化研究科教授。複雑系、特に人工生命の研究をテーマとし,ダイナミクスからみた生命理論の構築を目指す。国際ジャーナル「BioSystems」「ArtificialLife」「Adaptive Behavior」などの編集を併任しつつ、渋谷慶一郎、evala、新津保健秀らとのアート活動(filmachine 2006、Mind Time Machine 2010、Long Good bye 2016)も行っている。

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増井健仁(ますいたけひと):実証実験提供(コンサートでのオルタ3の実証実験)
株式会社ワーナーミュージック・ジャパン エグゼクティブ プロデューサー。
邦楽制作にて数多くのランキング1 位作品を手掛ける音楽プロデューサー。本プロジェクトのプロデュースも行う。
『Scary Beauty』では、エグゼクティブ プロデューサーとして本プロジェクトの実証実験の場を提供し、人間とアンドロイドによるエンタテインメントの新たな可能性を創出。

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■オルタ3開発メンバー
小川浩平(おがわこうへい):アンドロイド
公立はこだて未来大学大学院博士後期課程修了。博士(システム情報科学)。大阪大学基礎工学研究科講師。知能ロボットやエージェントと人のインタラクションに関する研究開発を行うとともに、アート作品の発表を行っている。知能ロボット研究では、国内外の論文発表に加えてTEDxMontecarloなどの会議において対外的な発表を行っている。アート分野では、2018年、PrixArs INTERACTIVE ART+にてAward of Distinctionを受賞している。

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土井樹(どいいつき):人工生命研究

音楽家、研究者。東京大学総合文化研究科博士課程。群れの集団運動やArtificial Lifeなどのテーマで研究をするとともに、
アート/音楽作品の発表を行っている。 主な音楽作品に『Uonotayu』(2010)、『The Sounds I couldn’t Hear』(2014)、『S』(2016)。また、インスタレーション、展示のサウンド・デザイン/プログラミングも手がけており、主な近作には『Jens|PREVIEW 17SS』音楽、『Rhizomatiks Research x ELEVENPLAY:border』データ解析、『Alter』音楽/ソフトウェアプログラムなどがある。

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升森敦士(ますもりあつし):人工生命研究

東京大学大学院総合文化研究科池上高志研究室所属。東京大学大学院博士後期課程修了。博士(学術)。主に人工生命、
デジタルファブリケーションの研究に従事。

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丸山典宏(まるやまのりひろ):人工生命研究

東京大学大学院総合文化研究科池上高志研究室所属。同研究室でALife分野の研究を行う一方、大学内外でアート作品制作や開発業務にハード・ソフト両面から主に技術スタッフとして携わる。

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村瀬龍馬(むらせたつま):シミュレーター提供(仮想空間でのオルタ3の動作実験)

株式会社ミクシィ 執行役員CTO 。2005年に株式会社イー・マーキュリー(現:株式会社ミクシィ)に入社。SNS『mixi』の開発に携わる。2009年に1度退職し、ゲーム会社などを経て2013年に株式会社ミクシィに復帰。別部署を経て『モンスターストライク』の開発部署に異動し、XFLAG開発本部本部長としてXFLAGのエンジニア全体を統括した後、2018年4月に執行役員 CTOに就任。(現任)

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■プロジェクト参加アーティスト

渋谷慶一郎 (しぶやけいいちろう):『Scary Beauty』 ディレクション・作曲
音楽家。東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。2002年に音楽レーベルATAKを設立、国内外の先鋭的な電子音楽作品をリリースする。これまでに数多くの映画音楽やサウンドインスタレーションを発表。2012年には、初音ミク主演による世界初の映像とコンピュータ音響による人間不在のボーカロイド・オペラ「THE END」をYCAMで発表。同作品はパリ・シャトレ座での公演を皮切りに現在も世界中で公演が行われており現在も上演要請が絶えない。これまでにパレ・ド・トーキョーでアーティストの杉本博司、ロボット研究者の石黒浩と、パリ・オペラ座でエトワールのジェレミー・ベランガールとなど数多くのコラボレーションを発表。複雑系研究者の池上高志とは15年に及ぶノイズや立体音響による協働、開発を行なっている。現在は東京とパリを拠点に活動を展開している。

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■協力メンバー
内田まほろ(うちだまほろ)
日本科学未来館展示企画開発課長。アート、テクノロジー、デザインの融合領域を専門として2002年より未来館に勤務。文化庁在外研修員として米ニューヨーク近代美術館(MoMA)で勤務後未来館にて「時間旅行展」「チームラボ」など多数の企画展を手がけビョークやジェフミルズとのコラボレーションによるシンボル展示「ジオ・コスモス」のプロデュースなど大胆なアート&サイエンスのプロジェクトを推進。2016年に生命らしさを持つ機械人間「Alter(オルタ)」を企画。

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株式会社オルタナティヴ・マシン
自律性、進化、意識など、あらゆる生命現象の原理を探求する「人工生命(ALife)」研究から生まれた理論や情報技術の社会応用に挑戦する研究者集団。「あらゆるものに生命性をインストールする」というミッションのもと、最適化や効率化を目的としたテクノロジーのあり方だけではなく、生命的な新たなテクノロジーのあり方を探求している。国内外のALife研究者とパートナーを組む世界で唯一のALifeに特化したテクノロジー企業。現在、企業との共同研究プロジェクトの他、ダイナミクス生成エンジン「ALIFE Engine™」の開発に注力している。ALife研究者の池上高志、ウェブサイエンス研究者の岡瑞起、コンセプトデザイナー/社会彫刻家の青木竜太によって2017年に起業。
http://alternativemachine.co.jp/

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オルタ3に搭載されている”ダイナミクス生成エンジン「ALIFE Engine™」”

人工生命研究の理論や過去のオルタ開発で培ったノウハウから今回、新たに開発したオルタの動きを生成するエンジン(ソフトウェア)。今までオルタ以外のアンドロイドに搭載されたことはなく、今後はアンドロイドやAIだけでなく、生命特有のゆらぎや最適化や効率化などではなく愛着や親しみ、存在感など生命表現が求められるようなプロダクトやサービスにも応用していく予定です。

■Scary Beauty(スケアリー・ビューティ)とは
アンドロイド・オペラ『Scary Beauty』は、世界の人工生命研究者が集うALIFE 2018(人工生命国際学会)のパブリックプログラムとして2018年7月に、日本科学未来館(東京・お台場)で初演が行われました。その公演で、AI(人工知能)を搭載したアンドロイド オルタ2が30名に及ぶ人間のオーケストラを指揮し、それを伴奏に自ら歌う姿を披露。作曲とピアノを渋谷慶一郎が担当、人工生命とアンドロイドに関して世界的に著名な東京大学や大阪大学の研究者が、プロジェクトメンバーとして参画。実際の演奏の際に起こるであろう人間の想像を超えた急激なテンポや強弱の変化、それに伴う歌唱表現の極度な振れ幅は全てアンドロイドが自ら決定し、作曲された音楽作品の新たな可能性を引き出す場合もあれば、破壊する可能性もはらみ、”奇妙な、不気味な美しさ”を醸し出します。
本プロジェクトで披露するオルタ3の『Scary Beauty』では、指揮者(オルタ3)の持つ演奏の表現が多彩になっています。特に、オルタ3が実際に目を持っていることやトルクが倍になり運動に力があることで、オルタ2における指揮の表現を書き換えています。また、オルタ2による指揮がジェンダーレス的であるならば、オルタ3における指揮は運動速度が速くなったことでモンスター感が増し、力や恐怖というファクターが加わって美しさとの対置がより強力になりました。
http://scarybeauty.com

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Photo by Kenshu Shintsubo
日本科学未来館 「ジオ・コスモス」

■オルタ3プロジェクトの今後の活動
・2019年3月13日〜5月5日 tanzhaus nrw主催フェスティバル”Hi, Robot! Mensch Maschine Festival”での公演・展示(ドイツ・デュッセルドルフ)
– 3月13日 アンドロイド・オペラ『Scary Beauty』フェスティバルオープニング公演(デュッセルドルフ・Robert-Schuhmann-Saal)
– 3月15日〜17日 プレビュー展示(デュッセルドルフ・NRW Forum)
– 3月28日〜5月5日 “Körperwende – von Nam June Paik bis Hiroshi Ishiguro” 展示(デュッセルドルフ・NRW Forum)
・2019年5月16日~8月26日 “AI: More Than Human”展 展示(イギリス・ロンドン・バービカンセンター)
・2019年9月以降 アンドロイド・オペラ 『Scary Beauty』世界数か国で公演予定

上記以外にも今後さまざまな活動を予定しております。

■新国立劇場 2020年特別企画について
オペラ、バレエ、ダンス、演劇という現代舞台芸術のためのわが国唯一の国立劇場、新国立劇場(東京都渋谷区)は、世界の注目が東京に集まる2020年8月、日本の魅力を世界へ発信する絶好の機会として「特別企画」を企画することとしました。科学技術、共生といったテーマを織り込んだ新しい舞台作品を通じ、舞台芸術の可能性を広く世に問い、その魅力を国内外にアピールすべく、子供たちとアンドロイドが創る新しいオペラを上演します。この特別企画は、新国立劇場オペラ芸術監督の大野和士が企画、作家の島田雅彦に台本を、『Scary Beauty』をディレクションする渋谷慶一郎に作曲を委嘱。指揮は大野、演出は新国立劇場演劇芸術監督の小川絵梨子が務めます。
この新作オペラには人工生命搭載アンドロイド「オルタ3」が物語の核となる役で出演し、もう一方の核となる100人の子供たちによる合唱と相互に関わり合いながら歌い、演じて、アンドロイドと子供たちの友情のドラマを紡ぎます。子供たちと共に、プロのオペラ歌手と新国立劇場合唱団も出演、管弦楽は東京フィルハーモニー交響楽団が務めます。さらに、国内最高水準と評価される新国立劇場バレエ団も参加し、新国立劇場始まって以来の全ジャンルのコラボレーションが実現します。
未来への共生のメッセージが込められた全く新しいオペラの誕生の瞬間に、どうぞご期待ください。

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・公演日程:2020年8月下旬
・会場:新国立劇場オペラパレス(東京都渋谷区 客席数約1800席)

大野和士(おおのかずし):指揮、芸術監督
指揮者。東京藝術大学卒業。1987年トスカニーニ国際指揮者コンクール優勝。以後、世界各地でオペラ公演ならびにシンフォニーコンサートの客演で聴衆を魅了し続けている。ザグレブ・フィル音楽監督、バーデン州立歌劇場音楽総監督、ベルギー王立歌劇場(モネ劇場)音楽監督、国立リヨン歌劇場首席指揮者などを歴任。2015年から東京都交響楽団ならびにバルセロナ交響楽団音楽監督。2018年から新国立劇場オペラ芸術監督。新国立劇場2020年特別企画では、指揮も務める。

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島田雅彦(しまだまさひこ):台本

1984年東京外国語大学ロシア語学科卒。在学中の1983年『優しいサヨクのための嬉遊曲』でデビュー。主な作品に『自由死刑』、『退廃姉妹』(伊藤整文学賞)、『徒然王子』、『悪貨』、『虚人の星』(毎日出版文化賞)、『カタストロフ・マニア』、『絶望キャラメル』ほか多数。『忠臣蔵』、『Jr.バタフライ』のオペラ台本はじめ、多くの楽曲に詞を提供している。2011年より芥川賞選考委員。法政大学国際文化学部教授。新国立劇場2020年特別企画の台本を手掛ける。

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渋谷慶一郎 (しぶやけいいちろう):作曲

音楽家。東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。2002年に音楽レーベルATAKを設立、国内外の先鋭的な電子音楽作品をリリースする。これまでに数多くの映画音楽やサウンドインスタレーションを発表。2012年には、初音ミク主演による世界初の映像とコンピュータ音響による人間不在のボーカロイド・オペラ「THE END」をYCAMで発表。同作品はパリ・シャトレ座での公演を皮切りに現在も世界中で公演が行われており現在も上演要請が絶えない。これまでにパレ・ド・トーキョーでアーティストの杉本博司、ロボット研究者の石黒浩と、パリ・オペラ座でエトワールのジェレミー・ベランガールとなど数多くのコラボレーションを発表。複雑系研究者の池上高志とは15年に及ぶノイズや立体音響による協働、開発を行なっている。現在は東京とパリを拠点に活動を展開し、新国立劇場2020年特別企画の作曲を行う。

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小川絵梨子 (おがわえりこ):演出

2004年、アクターズスタジオ大学院演出部卒業。06~07年、平成17年度文化庁新進芸術家海外派遣制度研修生。最近の演出作品に『出口なし』『The Beauty Queen of Leenane』『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』『CRIMES OF THE HEART ―心の罪―』『死の舞踏/令嬢ジュリー』『ユビュ王』『夜想曲集』『RED』『スポケーンの左手』など。新国立劇場では『スカイライト』『1984』『マリアの首 ―幻に長崎を想う曲―』『星ノ数ホド』『OPUS/作品』の演出のほか、『ウィンズロウ・ボーイ』の翻訳も手がけて、19年4月には『かもめ』の翻訳も担当する。18年9月より新国立劇場演劇芸術監督。

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新国立劇場バレエ団 THE NATIONAL BALLET OF JAPAN

新国立劇場の開場とともに、1997年発足。「白鳥の湖」などの古典作品から、アシュトン、マクミラン、バランシンといった振付家による20世紀の傑作、さらにはウィールドンなど現代振付家作品を加え、世界の一流バレエ団に比肩する幅広い作品をレパートリー化。日本最高峰のバレエ団として内外から高い評価を得ている。

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