サステナビリティ SUSTAINABILITY
AIを活用したサッカー試合時の「状態認識」技術
当社は2019年よりスポーツ事業に参入し、公営競技のレース映像配信における自動編集化、位置情報測位と画像解析技術を用いた自動追尾カメラシステムの開発など、スポーツにおけるAIを活用した技術革新を推進してきました。2024年12月からは株式会社Playboxと協業し、スポーツ映像のAI解析に加え、トラッキングやイベント検出などのデータを活用した分析基盤の構築に向けた研究開発に取り組んでいます。
サッカーの試合における「状態認識」を高精度に自動推定
サッカーの試合映像から、選手や審判など各人物の役割や位置情報等を自動で把握する状態認識(Game State Reconstruction/GSR)技術は、戦術分析やプレー評価にとって非常に重要です。この技術を実現するには、フィールドや人物の検出、選手の識別、トラッキング、位置関係の推定など、複数のAI技術を組み合わせる必要があり、実用化に向けてそれぞれの技術改善が求められています。
Playbox社との研究開発では、より高精度なディープラーニングモデルや幾何学的推論(カメラキャリブレーション)、サッカーのルールや選手の特徴に関する知識(例:ゴールキーパーは主にゴールエリア付近に位置するなど)を活用したヒューリスティック最適化を統合することで、既存手法を大きく上回る精度の向上に成功しました。

世界最高峰の国際会議「CVPR 2025」の競技会で4位獲得
研究成果をもとに、本年度開催されたAIとコンピュータビジョン分野で世界最高峰の国際会議「CVPR 2025」のコンペティション「SoccerNet Challenge(Game State Reconstruction)」に当社とPlaybox社の共同チームで出場し、世界4位の評価を獲得しました。
本取り組みを通じて得られた知見と技術は、スポーツの戦術分析やトレーニング、そしてファン体験の向上にも応用できると考えています。より高度な分析技術の実現に向けて研究開発を進めていくとともに、当社ならではのAIを活用した技術革新で、コミュニケーションに新たな付加価値を創出することを目指してまいります。