株式会社MIXI

SUSTAINABILITY

公営競技のレース映像配信における技術革新

当社は、2020年6月より、競輪とオートレースの全レース映像を基本無料で、友達と一緒に楽しみながらネット投票ができる共遊型スポーツベッティングサービス「TIPSTAR(ティップスター)」の提供を開始しました。「TIPSTAR」では、全国の競輪場・オートレース場からのリアルタイム映像配信を行っており、配信には当社が独自開発したツールやシステム等が数多く実装されています。今後もスポーツ中継において先進的な技術開発を継続して行うことで、多くの皆さまにより良い視聴体験を提供してまいります。

AIを活用した競輪・オートレースのリアルタイム映像の自動編集システムを独自開発

全国に計48カ所ある競輪・オートレース場から配信されるレース映像の編集作業において、AIによる自動化を実施し、適切なタイミングでテロップやBGMが流れる仕組みを開発しました。テロップやBGM入れは通常スタジオ等で専用機器を用いて手動で行うケースがほとんどですが、当社ではAIを用いた映像のリアルタイム自動編集の仕組みを開発し、TIPSTARで取り入れています。現在本技術は特許申請中です。

【AIによるリアルタイム映像編集システムの仕組み】
技術環境:Python3 / TensorFlow Lite / AutoML Vision / Edge TPU

  • 画像を見るAIと音を聴くAIを組み合わせて、レース状態を推定している
  • レース状態に応じた編集API(後述するBreezeCast)を叩くことで映像を編集する
  • インフラはEdgeTPUを載せたオンプレミスサーバーで、モデルはEdge TPUに最適化


競輪・オートレース場からの映像をブラウザ上で編集可能にするツール「BreezeCast」を独自開発

TIPSTARでは各レース会場から配信される映像にテロップやBGMを入れる編集作業を、ブラウザ上で可能にするツール「BreezeCast(ブリーズキャスト)」を独自に開発しました。通常であれば、専用の機材が用意された環境で映像編集を行いますが、BreezeCastはブラウザ上で作業ができるため、インターネット環境さえあればどこにいても映像編集作業を行うことができます。コロナ禍において、物理的に編集スタジオに多くのスタッフが集まって編集作業を行うことができなくなったことがきっかけで開発が行われました。

【BreezeCastの技術構成】
技術環境:Vue.js / Go / C++ / Blackmagic decklink / WebRTC

  • インフラはGKE + オンプレミスサーバー
    • オンプレミスも含め、全てコンテナベースで構成
  • 編集のためのアプリロジックの実装はGo
    • レースや選手の情報 ※レースのテロップ素材/BGM等
    • レース結果を表示するための画像生成等
  • 映像編集のためのUIはVue.js
  • 実際に編集するための描画処理はC++で管理
    • 同軸ポートのSDK描画処理
    • 各素材の座標管理やレイヤーの管理・レース状態に応じて映像編集APIから編集
実際のレース時の「BreezeCast」画面。左が元映像、右が編集された映像。「AIのキモチ」がステータスを表しており、
レースの状態に応じてテロップ等がAIによって自動編集され、配信されている。

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