当社では、渋谷区が推進するシブヤ『部活動改革』プロジェクトを支援しており、支援活動の一環として、一般財団法人​​渋谷区スポーツ協会が運営する渋谷ユナイテッドクラブの「デジタルクリエイティブ部」で指導をしています。

渋谷ユナイテッドクラブとは、渋谷区立中学校（全8校）すべての生徒が参加できる渋谷区の部活動改革の取り組みです。学校ではできなかった生徒の“やりたい”が実現する新しい部活や、既存の部活動の地域化も含めて、渋谷区にゆかりのある民間企業・団体が、各自の得意分野を活かして部の顧問と指導を担当しています。当社が担当する「デジタルクリエイティブ部」は、PCを使用した学習や制作に取り組んでおり、今年度は以下の9つのカリキュラムを実施します。

＜2024年度カリキュラム＞

• Pythonプログラミング（2024年5月）
• 情報デザイン（2024年6〜7月）
• グラフィックデザイン（2024年7月）
• サウンドデザイン（2024年9〜10月）
• 動画制作（2024年10月）＜NEW＞
• 会話AIロボット「Romi」プログラミング（2024年11月）
• 機械学習・ディープラーニング（2024年12月）
• micro:bitプログラミング（2025年1月）＜NEW＞
• ゲームプログラミング（2025年1〜3月）

※＜NEW＞は2024年度より新設したカリキュラム

2023年の活動と同様、2024年12月は全3回にわたり、機械学習・ディープラーニングの活動を実施しました。講師は当社の機械学習エンジニアである渡辺莉央が務めました。

本カリキュラムの目標は、AIを「知って」「作って」「活用できる」技術者になること。基礎編、強化学習編、戦略AI編の順で学んでいきます。

【第1回】AIを知ろう　基礎編

初日は「AIを知る」ことをテーマに、基礎から学んでいきます。最初のアイスブレイクとして、生徒たちに「知っているAI関連サービス」について尋ねると、OpenAIのAIチャットボット「ChatGPT」や、Appleのバーチャルアシスタント「Siri」、Amazonのバーチャルアシスタント「Amazon Alexa」など、さまざまな名前が飛び出しまし、日常生活にAIが浸透している様子が浮かび上がります。

次に、AIの種類や仕組みを座学で学んだあとに、実際にAIを作成してみます。手書きの数字や絵を認識するゲームを作りながら、AIがどのように働くのか、その仕組みを体感しながら楽しく学びました。

【第2回】AIを作ろう　強化学習編

2日目は強化学習に焦点を当てて学びます。強化学習とは、AIにデータを与えて学習させる機械学習の一手法であり、正解した際に報酬を与えることで、望ましい選択をするようにAIを育てる方法です。

まずは強化学習の仕組みを学び、その後、実際に強化学習AIを作成してみました。障害物を避ける強化学習AIを作成し、学習を重ねることでAIの精度がどんどん向上していく様子を体感したほか、生徒同士がスコアを競い切磋琢磨する姿も見られました。

【第3回】AIを活用しよう　戦略AI編

最終日の戦略AI編では、白と黒のコマで競う「リバーシ」を題材に、戦略的AI作りに挑戦しました。まずは、リバーシの戦略を構造化することからスタート。“リバーシが強いとはなにか”を定量化し理解を深めた後、最善手を予測する戦略AIを作成し、あらかじめ準備されていた戦略AIと対戦させます。ステージが進むごとに強くなる戦略AIに対して、自ら作成した戦略AIを駆使してゲームクリアを目指します。中には、「魔王」と呼ばれる強敵を見事に倒した生徒もおり、大いに盛り上がりました。

最後に、生徒に感想をうかがいました。

＜生徒のコメント＞

• AIの仕組みを知れてよかった！
• AIはとても複雑な構造で、膨大なデータによってできていると知ることができました。AIは凄い技術だなと思いました。
• すっっっっっっっっっっっごく楽しかったです。
• 昨年に引き続き、AIについてよく理解することができました！ 今年はChatGPTを使うワークもあり、新しいことができて楽しかったです。

＜講師・渡辺莉央のコメント＞

昨年の経験を踏まえ、今年は応用問題やChatGPTを活用した連想ゲームを追加し、より実践的なワークに挑戦してもらいました。短い時間の中で新たな課題に果敢に取り組む皆さんの姿勢には、改めて感銘を受けました。また、技術を学ぶだけでなく、それをどのように活用するかを考え、試行錯誤しながら取り組んでいる姿も印象的でした。この経験を糧に、これからも新しい技術に触れながら創造力を磨いていって欲しいと思います。

MIXIでは引き続き、渋谷区と連携した次世代育成支援を行ってまいります。