当社は2019年よりスポーツ事業に参入しました。参入以降、スポーツの領域において、ローカル5Gの無線局免許取得による商用利用や、AIを活用した公営競技のレース映像配信における自動編集化など、当社が培ってきたノウハウを活かして様々な事業で技術革新を行っています。
2024年2月からは、関空アイスアリーナにてアスリートの競技力向上に活用できる位置情報測位とAI画像解析技術を用いた自動追尾カメラシステムを開発し、運用を開始しました。今後さまざまな用途で展開することで、各スポーツの競技力向上および視聴体験の発展に貢献してまいります。
関空アイスアリーナ内に構築した自動追尾カメラシステムについて
当社は近年屋内位置測位システム(IPS)を活用した技術開発に取り組んでおり、公営競技におけるレース映像に導入し、臨場感のある観戦体験を提供してきました。位置情報を活用した技術は、多くのスポーツ競技に応用が可能です。
今回、新たな取り組みとして、関空アイスアリーナ内に屋内位置測位システム(IPS)を構築し、同環境を利用した自動追尾カメラシステムを開発しました。本システムは、アリーナ内にロケータ(位置情報アンテナ)を16台設置し、位置情報タグをつけた選手の位置情報を測位。加えて、PTZ(パンチルトズーム)カメラで滑走中の選手を追尾撮影するとともに、リアルタイムで映像をAIで画像解析し、選手の次の動きを予測します。位置情報とAI画像解析を用いることで、正確な自動映像撮影を実現しました。選手の軽快で複雑な動きを検知することができ、かつスケートリンク上に複数の選手が滑走していても、特定の選手を自動的に追尾撮影することが可能です。
これにより、関空アイスアリーナでトレーニングを行うフィギュアスケートの強化選手は自身の滑走や演技などを確認することが容易になりました。映像には選手の位置情報や移動軌跡、スピードの情報が表示されるため、選手は復習に役立てることができます。
なお、今回構築した屋内位置測位システム(IPS)は、同じく関空アイスアリーナ内に導入されているQoncept社製の追尾カメラシステムにも採用されています。
▼自動追尾カメラシステムを活用したトレーニング映像
<システム概要>
① アリーナ内にロケータ(位置情報アンテナ)を16台設置し、位置情報タグをつけた選手の位置情報を測位。
② 測位した位置情報をもとにPTZカメラで選手を自動追尾し、映像を撮影。
③ 撮影映像は現地で閲覧可能であり、選手は自身の演技をすぐに復習することが可能。